【聞き手】 便利屋になろうと考えたあと、何か研修とかを受けられましたか?
【ポッポ】 受けていません。(笑)そんな研修、あっても無意味でしょう。だって、毎回毎回、依頼の内容は違うんですよ。もし、そんな研修があったら死ぬまで研修をし続けなければならない。
これは少し悪口になっちゃいますが、最近は便利屋になりたい人がかなり多い様で、フランチャイズが沢山できていますよね。そのようなところには研修がある様で、あるフランチャイズは研修中に100項目のノウハウを伝授するみたいな事を書いてあるんですけど、たった2ヶ月や3ヶ月の研修でそんなに沢山覚えられますか?まず無理でしょ。だから、はじめのうちはぶっつけ本番なので、失敗もしました。
【聞き手】 でも、お客さんにとって失敗されちゃ困るのでは?
【ポッポ】 そうです。だから、失敗しないために依頼を受けると出来る事と出来ない事を即座に判断するのが便利屋の最大のポイントになってくるのです。100項目どころか人生、専門の技や知識はそうそう身に付けられるものじゃない。だから、さっきの話じゃないですけれど、リフォームの仕事が入れば当然、リフォーム屋の大将の出番。アイドルのグッズ買いの仕事が入れば当然、役得で私の出番。(笑)
しかし、それでもいろんな種類の依頼を完璧にこなせるはずはありません。だから、お客さんに迷惑をかけないためには「プロ」に行ってもらうんです。
【聞き手】 アウトソーシングですか?
【ポッポ】 まあ、そんなたいそうなものじゃないですが、私たちがこうやって生き延びているのは「無理な仕事をしない」なんです。自分の出来ない仕事は、その道のプロに任せる。そして、自分の代わりに行ってもらうのだから絶対安心な人に行ってもらう。これを徹底しています。
そのためにはかなり苦労をしました。
いろんな業者さんに電話をかけて、うちはこう言う便利屋をやっているんだけど困った時には助けてくれないか、とね。
【聞き手】 困った依頼者を助けるのが便利屋なのに、その便利屋が困って助けを求めるわけですか(笑)
【ポッポ】 そうです、餅屋はやっぱり餅屋ですから。
便利屋インタビュー
1.依頼者と便利屋の架け橋に
2.便利屋になった理由は「怖いもの見たさ」
3.便利屋が全部出来るわけはない
4.便利屋の仕事はどれも楽しい
5.本当は便利屋なんていらない
6.依頼者は一人暮らしの女性が多い
7.意外に少ない大工仕事
8.遠方から依頼して得する便利屋活用法
9.入り口よければ出口よし
10.一生付き合えるのが便利屋