シミは時間が経つほど取れなくなってくるので、すぐに応急処置をするのが大切ですが、一口にシミといっても、水溶性のものか油性のものかで落とし方は違います。正しいシミ抜き方法を覚えておきましょう。
水溶性のシミ・油性のシミの落とし方
シミは時間が経つほど取れなくなってきます。すぐに応急処置をするのが大切ですが、一口にシミといっても、水溶性のものか油性のものかで落とし方は違います。今回は、それぞれのシミの正しい落とし方をご説明します。
水溶性のシミの応急処置
水溶性のシミには、水か中性洗剤を使います。しょうゆ・ソース・コーヒー・ジュースなどの水溶性のシミはタオルなどで吸い取り、シミの端を水でテストします。食べこぼしや泥汚れはたいてい水や液体中性洗剤液で落ちます。
水溶性のシミの応急処置のしかたは次の通りです。
- ホコリをよく落としてから、シミの周辺に糸で印をつけます。
- シミの下に布を当てて、少し水をつけた歯ブラシでたたきます。歯ブラシに水をつけ過ぎないように、余分な水分はタオルで取ります。下の指はたたく部分に当て、布地を挟むように歯ブラシをたたき、汚れがゆるむまで繰り返します。小さなシミは綿棒で根気よく吸い取ります。
シミが目立たなくなったら、乾いたガーゼで水分を吸い取るように強く押し、シミの周りも水分をぼかしながら乾くまでガーゼで押さえます。根気よくていねいに処置するのがポイントです。
時間が経ってしまっていたら
なお、時間が経った水溶性のシミは、次の手順で落とします。
- 小さじ1杯の水に中性洗剤を少し混ぜて溶かしたものを歯ブラシにつけ、上記の要領でたたきます。
- 水だけをつけた歯ブラシで洗剤を落とし、ガーゼで水分を吸い取ります。
たんぱく質を含むシミは必ず水で!
牛乳・卵・血液などの場合、シミ抜きの方法は他の水溶性のものと同じですが、たんぱく質を含んでいるので、湯でたたくと生地の上で固まってしまいます。必ず水で落としましょう。もし固まってしまったら、水でふやかしてから落とします。
油性のシミの応急処置
チョコレート・ファンデーション・口紅などの油性のシミにはベンジンを使います。応急処置のしかたは次の通りです。
- ホコリを落としてからシミの周りに糸で印をつけ、シミの下に布を当てます。
- ベンジンをシミの周辺から控えめに吹きつけます。
- シミの部分にガーゼを当てて強く押し、下の布に汚れを移します。布地を挟むように手のひらで押さえ、乾燥させます。
シミ抜きセットを携帯しよう
油性のシミの場合は、外出先でも応急処置ができるように、携帯できるシミ抜きセットを持ち歩くと便利です。作り方は、小さく切ったガーゼにベンジンを湿らせてジップ袋に入れておくだけと、たいして手間もかからず簡単なので、外出の際はとりあえずこれで応急処置をしましょう。
ただし、広範囲についてしまったシミや、小さくても濃いシミの場合はクリーニング店に出しましょう。薄いシミなら自分でまめに取るようにするのが大切ですが、あくまでも無理は禁物です。
無理に自分で落とそうとしない
水溶性のシミか油性のシミか分からない場合は、まず端の部分をベンジンでテストし、それでも落ちないときは水でたたいてみます。この時点で落ちないときには、信頼できるクリーニング店に相談しましょう。これらの方法はあくまでも応急処置ですから、無理に自分で落とそうとしないことも大切です。