現役便利屋が語る「便利屋あれやこれや」シリーズ。便利屋といえばゴミ屋敷の片付け。ゴミ屋敷の片付けといえば便利屋。そんな華形(?)のゴミ屋敷片付け依頼ですが、中にはあっけらかんと暮らしている人もいます。(もちろん片付けられない自分に悩んでいる人のほうが多いですが。。。)
とあるゴミ屋敷
人間という動物はどうやら「どうでもいい」ラインがあるようで、そのひとつが時々見受けられるゴミ屋敷にあるようです。
(もちろん、すべてのゴミ屋敷でそういうわけではありません。)
なんといいますか、タガがはずれてしまったと言うのでしょうか、始めは頑張って掃除をしてゴミを捨てていたものの、何かの拍子で「もうイイヤ」と思った瞬間から、すごいペースでゴミ屋敷と化していく。
これまでも便利屋の片付けでたくさんのゴミ屋敷を経験しました。
入った瞬間、倒れそうになるほどの臭いとおぼれそうなほどのゴミの山。
しかし、当の依頼者は平気。
なまじ、ちょっと汚れている部屋の住人なら
「恥ずかしいですが、体調を崩しちゃって」
とか、いろいろと弁解をするのですが、このクラスになるとそうはいきません。
「ほんと、もう、回りがうるさくてねえ、私は別に困ってはなんですけど」
と、冷静に落ち着いているというか、開き直ているというか。。。
そして、見積りの料金
「ゴミやら壊れた電気製品を全部出して、掃除をして風呂を使えるようにしてざっと12万円はかかりますよ」
そう言うと、このケースのゴミ屋敷の住人は「それは高すぎる、一桁違う」などと言い返してきます。
確かに12万円は大金です。
しかし、考えてください。
入居してからこのかた12年間もこの依頼主、ゴミを捨てずにいたんですよ。
12万円だから、1年で1万円
1ヶ月にすると800円と少々。
逆を言うと、800円と少々の値段で毎月掃除をしてくれる人がこの世の中にいるもんですか!
「ちりも積もれば山となる」
あの家の山は、今頃13万円分ぐらいの山になっているでしょう。